何がすごいの？世界最高峰のマッキンゼーの特徴と強み/弱み｜歴史的な立ち位置とどんな会社か相談できる転職のパートナーはココ！

こんにちは。転職note編集部です。

「マッキンゼーって何がそんなにすごいの？」「なぜ業界トップと言われるの？」

このような疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。コンサルティング業界への転職を検討している方にとって、マッキンゼーは憧れの企業である一方で、その「すごさ」の実態は見えにくいものです。

本記事では、マッキンゼー・アンド・カンパニーが「世界最高峰のコンサルティングファーム」と呼ばれる理由を、17年間コンサル転職支援を行ってきた専門家の知見や、日本代表へのインタビュー内容を交えて徹底解説します。

単なる企業紹介ではなく、転職・就職を検討している方が知りたい「本当のすごさ」と「他社との違い」を、信頼できる情報源をもとに明らかにしていきます。

マッキンゼー・アンド・カンパニーの会社概要と歴史

マッキンゼー・アンド・カンパニーは1926年にアメリカ・シカゴで設立され、日本支社は1971年に開設された世界最大級のグローバル戦略コンサルティングファームです。

世界65カ国に130以上の拠点を構え、グローバル全体で約45,000人、日本で約800人のコンサルタントを有し、戦略立案から実行支援まですべての経営課題を手掛ける世界三大コンサルティングファームの一角です。

「科学的かつ論理的な問題解決」を核とした方法論で、経営コンサルティング業界の標準を確立し、世界中のトップ企業、政府機関から信頼される「真のパートナー」として企業変革を支援しています。

どんな困難に直面しても、クライアントと共に歩み、持続可能な価値創造を実現するグローバルリーダーとして、業界をリードし続けています。

マッキンゼー・アンド・カンパニーの会社概要

商号	マッキンゼー・アンド・カンパニー・インコーポレイテッド・ジャパン
英文商号	McKinsey & Company, Inc., Japan
設立年月日	1926年（本社）／1971年（日本支社）
従業員数	約45,000名（グローバル）／約800名（日本）
資本金	非公開
代表者	日本代表・シニアパートナー　岩谷 直幸
グローバル売上高	2023年 160億ドル （前年比継続成長） 日本法人売上高は非公開
営業内容	戦略コンサルティング （企業戦略・M&A・組織変革） マッキンゼー・デジタル （DX・AI・デジタル戦略・システム構築） RTS（企業変革・企業再生） サステナビリティ・ESG戦略 アナリティクス・データサイエンス

出典：マッキンゼー社HP　https://www.mckinsey.com/jp/overview

アークヒルズ仙石山森タワー
最先端設備が充実したプレミアムオフィス

東京オフィスは港区六本木のアークヒルズ仙石山森タワーに位置し、世界最高水準のコンサルティング環境が整っています。

六本木の中心地に位置する立地で、グローバル企業のエグゼクティブとの戦略対話やチーム連携が最適化された環境を提供しています。

マッキンゼー・アンド・カンパニーの歴史

マッキンゼー・アンド・カンパニーは1926年にシカゴ大学経営学教授ジェームズ・O・マッキンゼーが創設し、経営コンサルティング分野において「科学的経営手法」を確立した業界のパイオニアです。

創業者の理念である「事実に基づく分析的アプローチ」は現在でも同社のDNAとして受け継がれ、世界中の企業変革を支え続けています。

1971年の日本進出以来、50年以上にわたり日本企業のグローバル展開と競争力強化を支援。近年は関西オフィス（2018年開設）も含め、日本全体での企業変革パートナーとしての存在感を拡大しています。

グローバル展開も加速し、次々と新拠点を開設しています。

マッキンゼー・アンド・カンパニーの最新戦略と強み

2024年現在、マッキンゼーは「持続可能で包括的な成長（Sustainable and Inclusive Growth）」をグローバル戦略の中核に据え、AI・デジタル変革とESG・サステナビリティを融合した次世代型コンサルティングサービスを展開しています。同社の最大の強みは、世界65カ国130拠点のネットワークを活かしたグローバル知見の即座共有と、業界を超えた横断的な問題解決能力にあります。

最新のマッキンゼーのAI・生成AI戦略への取り組み

マッキンゼーは2024年を「エージェント型AI時代の到来」と位置付け、生成AIが2.6兆ドルから4.4兆ドルの経済価値を創出すると予測しています。日本では『マッキンゼー REWIRED』を通じて日本企業の「失われた30年」を取り戻すDX戦略を提唱し、マッキンゼー・デジタルが中心となって企業のAI活用を包括支援しています。

クライアント企業に対しては、データドリブン意思決定プラットフォーム、AIによるリアルタイム業務最適化、人材不足解消のためのインテリジェント・オートメーションを提供し、売上40％増を実現する企業も多数輩出しています。

また、2024年には複数のAI関連レポートを発表し、エージェント型AIの戦略的活用、生成AIの企業変革への実装、AI人材育成戦略について業界をリードする知見を提供し続けています。

マッキンゼーが「業界最高峰」と呼ばれる5つの理由

まず、マッキンゼーがなぜ「業界最高峰」「世界最強のコンサルファーム」と呼ばれるのか、その具体的な理由を見ていきましょう。

マッキンゼーの何がすごい！？圧倒的な企業規模とグローバル展開力

マッキンゼーの最も分かりやすい「すごさ」は、グローバルなプロフェッショナルネットワークが1つの理由です。

単に大きいだけでなく、1926年の創設以来、約100年にわたって蓄積してきた知見とノウハウは、他社が簡単に追いつけるものではありません。日本においても、1971年の進出以来、半世紀にわたって日本企業の成長を支援してきた実績があります。

マッキンゼーの何がすごい？独自の人材育成システム「マッキンゼー・ウェイ」

業界関係者が口を揃えて語るのが「マッキンゼーは仕組みがすごい」という点です。これは具体的には、同社が長年培ってきた独自の人材育成システム「マッキンゼー・ウェイ」を指しています。

「他のコンサルティングファームの人たちに話を聞くと、みんな口を揃えて言うのが、『とにかくマッキンゼーは仕組みがすごい』ということです。人材育成から評価システム、クライアントへのフォローまで。」

出典：ダイヤモンド・オンライン「マッキンゼーの人は『何』がすごいのか？」

マッキンゼー・ウェイの特徴として、以下が挙げられます：

• 体系化された問題解決手法：ファクト・ベース、論理的アプローチ
• グローバル標準の研修プログラム：ロジカルシンキング、コミュニケーションスキル
• 360度評価システム：上司・同僚・部下からの多角的フィードバック
• MBA等への留学支援：継続的な学習機会の提供

特に注目すべきは、1933年に経営コンサルティング業界で初めて「Fact-base（事実に立脚する）」「Analytical approach（分析的アプローチ）」という概念を確立した点です。これらの手法は現在でもマッキンゼーの DNA として受け継がれており、他社との差別化要因となっています。

マッキンゼーが「ザ・ファーム」と呼ばれるブランド力

マッキンゼーは業界内で「ザ・ファーム（The Firm）」という特別な呼び方をされることがあります。これは同社のブランド力の高さを示す象徴的な表現です。

具体的なブランド力の証明として、以下のような評価を継続的に獲得しています：

また、コンサルティング業界では「MBB」という言葉がありますが、これは McKinsey（マッキンゼー）、BCG（ボストン コンサルティング グループ）、Bain（ベイン・アンド・カンパニー）の頭文字を取ったもので、業界の御三家を指します。しかし、その中でもマッキンゼーは常に筆頭に挙げられ、特別な地位を確立しています。

このブランド力は、クライアント企業からの信頼獲得や、優秀な人材の採用において大きなアドバンテージとなっています。実際、日本のトップ30社の8割がマッキンゼーのクライアントとなっており、その信頼度の高さがうかがえます。

マッキンゼーの「三大価値観」が生む強さ

マッキンゼーの強さの源泉は、創設者ジェームズ・O・マッキンゼーと、1950年から1967年まで同社を率いたマービン・バウワーから受け継がれる「三大価値観」にあります。これらの価値観が、同社の独特な企業文化と競争優位性を生み出しています。

クライアント・ファースト：顧客利益を最優先

マッキンゼーの最も重要な価値観が「クライアント・ファースト（Client First）」です。これは単なるスローガンではなく、実際の業務において徹底的に実践されている哲学です。

マッキンゼー日本代表の岩谷直幸氏は、NewsPicks のインタビューで以下のように語っています：

「会議の場では、よく『その考え、本当にクライアントのためになっているのかな？』と参加者で考えることが多いです。プロジェクトによっては、残業することも多い時期がありますが、それもクライアントファーストを徹底しているからなんですよね。」

出典：NewsPicks インタビュー動画より

このクライアント・ファーストの実践は、以下のような形で現れます：

• クライアントの真の利益を追求：短期的な売上より長期的な成功を重視
• 必要時には厳しい提言も実施：クライアントが間違っている場合は指摘
• 職位に関係ない議論：若手でもクライアントのために意見を述べる
• 24時間体制でのサポート：クライアントの緊急ニーズに対応

多くの企業が「顧客第一」を掲げますが、マッキンゼーの場合、それが徹底されているレベルが違います。クライアントにとって本当に良いことであれば、時にはクライアント自身が望まない厳しい現実も伝える勇気を持っています。この姿勢が、長期的な信頼関係を築き、継続的な成果につながっているのです。

私達もプロジェクトで一緒に働いたこともありますが、弁護士や医師等をクライアントニーズに合わせて同席してもらい、業界構造や事業のイシュー整理をバシバシ進めていく姿は、他ファームではなかなか見ない光景だと思います。

マッキンゼーの価値観「ワンファーム」：グローバル連携による問題解決力

「ワンファーム（One Firm）」という価値観は、マッキンゼーが世界130拠点で働く30,000人以上のコンサルタントを、一つの統合されたチームとして機能させる基盤となっています。

この価値観の実践例として、現役マッキンゼー社員は以下のように語っています：

「連携力というより、団結力に近いのかもしれません。『みんなで目標を達成しよう』というチームワークが強固なのだと感じますね。時には時差を活用して、日本の社員が寝ている間に、海外の社員に資料化してもらうこともありますね。」

出典：consul-career.com インタビューより

ワンファームの具体的な実践方法：

• グローバル混合チーム：プロジェクトに応じて世界各国の専門家を招集
• 24時間リレー体制：時差を活用した継続的作業
• 知識データベース共有：全世界のプロジェクト知見を活用
• 分業による効率化：資料作成と分析を分担

例えば、日本企業の海外展開プロジェクトでは、日本チームが戦略立案を行い、現地チームが市場調査を実施、資料作成は別のチームが担当するといった具合に、全世界のリソースを最適配置します。これにより、どの地域のクライアントに対しても世界最高水準のサービス提供が可能となっています。

この「ワンファーム」の実践は、他のコンサルファームでは真似することが困難な、マッキンゼー独自の競争優位性となっています。個別の拠点では小規模でも、グローバル全体として見ると圧倒的な規模と専門性を誇る理由がここにあります。

人材輩出力の秘密：なぜマッキンゼー出身者は活躍するのか

「元マッキンゼー」という肩書きが、転職市場で絶大な価値を持つ理由は何でしょうか。マッキンゼー出身者が各業界で活躍する背景には、同社独特の採用基準と人材育成システムがあります。

マッキンゼーの何がすごい！？採用段階での「カルチャーフィット」重視

コンサルティング業界で17年間転職支援を行ってきた専門家・久留須親氏の著書『「コンサルティングファームに入社したい」と思ったら読む本』では、マッキンゼーの採用について興味深い指摘がなされています。

この「カルチャーフィット」重視の採用が、マッキンゼー出身者の活躍を生む要因となっています。同社では以下のような人材特性を重視しています：

• 本質的思考力：表面的な問題ではなく根本原因を探る姿勢
• 知的好奇心：「なぜ？」「それは何ですか？」を恐れずに問い続ける
• リーダーシップポテンシャル：地頭よりも重要視される行動特性
• チャレンジ精神：既存の常識に疑問を持ち、改善を提案する姿勢

興味深いのは、マッキンゼーの面接でよく聞かれる「市場規模算出」などのケース問題に対して、正解を答える人よりも「市場規模って何でしょう？」と本質的な疑問を投げかける人の方が評価される場合があることです。これは、既存の枠組みにとらわれない思考力を重視しているためです。

実際の面接体験談として、元マッキンゼー社員は以下のように語っています：

「市場規模って何でしょう？と素で聞いたんですよね。そしたら『君は市場の定義を根本から問い直すそういう本質的なタイプだね』みたいに、いい方向に転がった。クリティカルシンキングができますね、いいですね、みたいな感じで評価されました。」

出典：NewsPicks「入社が難しい有名企業No.1 面接ハック術【マッキンゼー】」より

マッキンゼーの「アップ・オア・アウト」が育む実力主義

マッキンゼーの人材育成で特徴的なのが「アップ・オア・アウト（Up or Out）」と呼ばれる評価制度です。これは「昇進するか、退職するか」を意味し、中間的なポジションに留まることを許さない厳格なシステムです。

アメリカのマッキンゼーでの実体験として、以下のような厳しい現実があります：

一見厳しいシステムに思えますが、これが結果的にマッキンゼー出身者の高い市場価値を生み出しています。なぜなら：

• 継続的な成長圧力：常に高いパフォーマンスを求められる環境
• 早期の責任付与：若手でも重要なプロジェクトを任される
• 客観的な能力評価：360度評価による多角的フィードバック
• 転職市場での証明：「マッキンゼーで通用した」という実績

重要なのは、マッキンゼーを退職した人材も「卒業生」として扱われ、継続的にネットワークが維持されることです。グローバルで50,000人を超える卒業生ネットワークは、各業界でのマッキンゼーブランドの価値向上に貢献しています。

元マッキンゼー社員の証言によると：

「マッキンゼーでは『いつ辞めても大丈夫』と思えるくらいのスキルを身に付けている。卒業生の方々は、様々な業界・業種で活躍されています。」

このように、マッキンゼーの人材輩出力は、厳格な採用基準と育成システム、そして「卒業」後も続く継続的な関係性によって支えられているのです。

強みと弱みは何？
マッキンゼーの強み

さて、これまではマッキンゼーの強みと弱み、そしてプロジェクト事例をご紹介してきました。

1926年の創設以来培ってきた世界各国のトップ企業・政府機関との信頼関係・豊富な実績、そしてそれを支える世界最高峰の分析力と科学的問題解決手法がマッキンゼーの強みであることはお伝え出来たと思います。

また世界65カ国130拠点のグローバルネットワークを活かした業界横断的なプロジェクトを戦略立案から実行支援まで手掛けられるのも他のコンサルティングファームでは、なかなか実現できない取組みだと思います。

こうしたマッキンゼーの歴史や特徴をふまえて、どんな会社かを実際に働いている社員の方へのインタビューをもとに御紹介したいと思います。

マッキンゼーのすごい強み①
圧倒的なグローバルネットワークと顧客基盤

世界65カ国130拠点という他のコンサルティングファームを圧倒するグローバルネットワークにより、世界のトップ企業・政府機関との豊富な取引実績を蓄積しています。

そのなかで多くの企業と取引を重ね、培ってきた顧客基盤は他社の追随を許さないほど豊富で、Fortune 500企業の80％以上がクライアントとして名を連ねています。

また顧客企業がグローバル戦略やM&Aなどの重要案件を検討する際にも真っ先に声がかかることが多く、相談されやすいことも世界最大の顧客基盤を持つことのベネフィットの1つでしょう。

コンサルティングは企業の戦略だけでなく、各国の法令や業界の慣習、現場の業務と様々な観点で配慮や考慮が必要ですが、グローバルネットワークにより「絶対に外してはいけないポイント」を事前に把握でき、プロジェクト開始後のリスクを大幅に軽減できます。

このように100年近くで培ってきたグローバル顧客基盤は他社には無いマッキンゼーの大きな強みの1つと言えるでしょう。

マッキンゼーのすごい強み②
世界最高峰の分析力と科学的問題解決手法

マッキンゼーが業界のパイオニアとして確立した「科学的かつ論理的な問題解決手法」は、現在でも世界中の経営コンサルティングの標準となっています。複雑な経営課題を構造化し、データに基づいた仮説検証により最適解を導き出す能力は他社を圧倒しています。近年では生成AIやアナリティクスを活用した分析力をさらに強化しており、2024年には生成AIが2.6兆ドルから4.4兆ドルの経済価値を創出するとの予測レポートを発表しました。

特に戦略コンサルティングのプロジェクトは論理的思考力と分析の精度が結果を大きく左右します。クライアントの経営課題を根本から解決する「真のパートナー」として期待されるレベルは極めて高く、そこで求められる分析品質を実績をもとに応えられるマッキンゼーの手法は、すごく強みになっていると思います。

また社内での知識共有と研究開発も進んでおり、最新のビジネストレンドやテクノロジーの取込みもしっかりと進められている組織文化は創業以来の歴史をもとに培っているものといえるでしょう。

マッキンゼーのすごい強み③
世界最高水準の人材と徹底した人材育成

マッキンゼーは世界中から最も優秀な人材を採用し、グローバル全体で45,000人の高度専門人材を擁しています。採用においては極めて高い基準を設けており、中途採用倍率は約30倍とされ、世界トップレベルの大学・企業から厳選された人材のみが入社できます。

さらに重要なのは、入社後の人材育成への投資です。経営層が新卒社員を直接指導する文化があり、「Make your own McKinsey」の理念のもと、個々の社員が自らのキャリアパスを設計できる環境を提供しています。

こうした世界最高水準の人材が社内に在籍していることは、複雑で高難度なプロジェクトでも社内で解決でき、安定してクライアントにサービス提供ができるという点でクライアントも安心して発注できるので、事業運営の大きな強みとなっています。

マッキンゼーのすごい強み④
圧倒的なブランド力と業界での地位

世界三大コンサルティングファーム（MBB）の筆頭として、マッキンゼーは業界で圧倒的なブランド力を誇ります。グローバル企業のCEOや政府高官の多くがマッキンゼー出身であり、「マッキンゼー品質」という言葉があるほど高い信頼を得ています。

その為、重要なプロジェクトの発注先選定では企業の実績や保有するケイパビリティだけではなく、企業のブランドイメージが大きな決定要因となります。マッキンゼーであれば「絶対に失敗しない」「最後までやり切ってくれる」「世界最高の成果を出してくれる」というイメージは、特にグローバル企業では絶対的な信頼を持たれており、そういう点でマッキンゼーの高いブランド力は案件獲得の強みになっています。

もちろんそれを支えているのは、ここまでご紹介したグローバルネットワークや世界最高水準の人材等が長年の事業運営で顧客に築いてきたものでもあります。そういう時間の中で培ってきた実績に基づくブランド力は他社がスグにまねできるものではない為、マッキンゼーが今後も成長を遂げる為の大きな強みになっていると言えます。

マッキンゼーのすごい強み⑤
次世代テクノロジーとサステナビリティ領域での先進性

マッキンゼーは2024年を「エージェント型AI時代の到来」と位置付け、生成AIやデジタル技術を活用した次世代型コンサルティングサービスの開発に積極的に取り組んでいます。マッキンゼー・デジタルを中心とした組織体制により、伝統的な戦略コンサルティングとデジタル変革を融合させた独自のサービスを提供しています。

また、サステナビリティ・ESG戦略においても業界をリードしており、2024年には「持続可能で包括的な成長（Sustainable and Inclusive Growth）」をグローバル戦略の中核に据えました。気候変動対策から社会課題解決まで、次世代の経営課題に対する包括的なソリューションを提供しています。

こうした現状に甘んじず、次への布石を打ち続け、テクノロジーとサステナビリティ事業の拡大を遂げていることは今後の成長の原資となる強みになるでしょう。

強みと弱みは何？
マッキンゼーの弱み

昨今のコンサルティング業界は、様々なプレイヤーがいます。

アクセンチュアやデロイトは昔から競合することも多かったと思いますが、最近ではベイカレントコンサルティングやPwCコンサルティング、KPMG等のBIG4系、さらにはBoston Consulting GroupやBain & Companyなどの戦略コンサルも激しく競合しています。

戦略コンサルティングファームは、どのファームもグローバル展開・全業界・AI・デジタル変革に対してフルラインでサービス提供をしており、差別化が非常に難しいのはどのファームも同じです。

その為、各企業・コンサルティングファームが似たような優秀な人材を採用しようとしていますが、新興コンサルファームやテック系企業は積極的に年収水準を上げてオファーを出せます。

しかし、マッキンゼーの場合は、伝統的な組織構造と長期的なキャリア育成重視の文化により、市場の急激な変化に対して迅速な対応が困難な場合があります。

世界最高峰のブランド力と専門性はマッキンゼーの非常に大きな魅力である一方で、それが新たな市場環境への適応や競争において足かせになっているのも事実です。それでは早速、マッキンゼーの弱みを見てみましょう。

マッキンゼーの弱み①
業界全体の成長鈍化と競争激化

マッキンゼーの最大の課題は業界全体の成長鈍化と激化する競争環境です。2024年の成長率はわずか2％と低迷し、2023年末には5,000人の大規模人員削減を実施しました。これは従業員の約10％以上に相当し、過去最大規模のリストラとなっています。

背景には、コロナ禍で急拡大したコンサルティング需要の反動減、企業の内製化志向の高まり、AIやデジタル技術による業務の自動化進展があります。新興コンサルファームやテック系企業との価格競争も激化しており、従来の高付加価値路線の維持が困難になりつつあります。

マッキンゼーの弱み②
極度の激務体制とワークライフバランス課題

マッキンゼーの最も深刻な弱みは、業界でも極めて厳しい労働環境です。平均残業時間は月78時間、典型的な週労働時間は67時間、最悪の場合には100時間に達することが報告されています。これは1日平均13-20時間の労働に相当します。

「詰める文化」と呼ばれる高圧的な職場環境により、メンタル不調による離職が業界平均より高い傾向にあります。部署によっては20-30人中2-3人がメンタル面の問題で休職・退職するケースも珍しくありません。近年は働き方改革が進められているものの、本質的な解決には至っていないのが現状です。

コンサルティング業界は基本的に人時×単価＝売上のビジネスモデルの為、長時間労働を減らすと企業としての収益も見込めません。特に優秀な人材を多く採用し続けることが重要な業態なので、激務による人材流出と新規採用のバランスが取れない、という特徴はマッキンゼーの弱みの1つと言えるでしょう。

高い成果を出し続けなければいけない、しかし激務により人材が流出し、その補充と育成にコストがかかるというのがジレンマになっています。

マッキンゼーの弱み③
実行支援領域での競争力不足

マッキンゼーは戦略立案では業界トップレベルですが、実行支援・実装フェーズでは総合系コンサルや専門業者に劣る場面があります。従来の「戦略提言して終わり」というモデルから脱却するため、マッキンゼー・アクセラレートなどの実行支援組織を設立しましたが、まだ発展途上段階です。

クライアント企業からは「理論は素晴らしいが実装が困難」「現場への落とし込みが不十分」という指摘を受けることも少なくありません。アクセンチュアやデロイトなどの総合系ファームは、戦略から実装まで一気通貫で支援できる体制を整えており、この分野での競争力格差が顕在化しています。

マッキンゼーの弱み④
高額なコンサルティング料金による参入障壁

マッキンゼーのコンサルティング料金は業界最高水準で、戦略コンサルタントの月額単価は150万円～300万円と、他社と比較して大幅に高額です。この高コスト構造により、中小企業やスタートアップ企業への参入が困難となっています。

近年、企業の予算制約が厳しくなる中で、「高いが価値に見合わない」との評価を受けるリスクが高まっています。特に費用対効果を重視する企業からは、より低価格で同等のサービスを提供する競合他社が選ばれるケースが増加しており、市場シェアの維持が課題となっています。

マッキンゼーの弱み⑤
AI時代への適応とビジネスモデル転換の遅れ

AI・生成AI技術の急速な進歩により、従来のコンサルティング業務の一部が自動化される可能性が高まっています。マッキンゼーも「エージェント型AI時代の到来」を予測していますが、自社のビジネスモデル転換は他社比較で遅れているのが実状です。

特に初級レベルの分析業務やレポート作成はAIで代替可能になりつつあり、従来の人月ベースの収益モデルが根本的に見直しを迫られています。新興コンサルファームの中にはAIを活用した低価格・高速サービスを武器に市場参入する企業も現れており、伝統的な高付加価値路線だけでは競争力維持が困難になりつつあります。

こうした技術革新の波に対して、組織として迅速な変革を遂げられるかが今後の成長の鍵となりますが、現時点では適応スピードに課題があると言えるでしょう。

実際に働く人が語るマッキンゼーの「本当のすごさ」

数値や制度だけでは見えない、マッキンゼーの「本当のすごさ」を、実際に働く人々の声から探ってみましょう。

マッキンゼーだと経営目線での思考力が身につく理由

マッキンゼーで働く人が共通して身につけるのが「経営目線での思考力」です。これは単なるスキルではなく、企業文化として根付いているものです。

現役マッキンゼー社員の証言：

「私自身も常に意識していますが、若手のメンバーには、常に経営者目線で物事を考える重要性を語っています。マッキンゼーのDNAというだけではなく、常にCxOクラスとディスカッションしていくわけで、イシューも仮説もかなり抽象度は高く、イシューを解くために社内で会話されている内容についていくだけで多くのメンバーが経営者が捉える業界・市場・会社を見る目線になると思います。」
出典：独自インタビュー調査より

この経営目線が身につく理由：

• クライアントとの接点：若手でも経営陣との議論に参加
• 全社的な課題への関与：部門横断的なプロジェクトを担当
• 意思決定プロセスの体験：経営判断の背景を学習
• 結果責任の共有：提案の実行結果まで追跡

特筆すべきは、マッキンゼーでは年次に関係なく「経営者ならどう考えるか」を常に問われることです。これにより、若手の段階から経営者としての思考回路が自然と身につきます。

完璧さより「タイムリーさ」を重視する仕事術

マッキンゼー日本代表の岩谷直幸氏が語る、成長企業に共通するマインドセットの一つが「完璧さよりタイムリーさ」です。

「完璧に今あるものを理解するのがそもそも難しいとなので、ある程度出してみて反応を見てその流れを大事にしながら変えていくっていうのが、ちょっと日本語の語感で言ういい加減な感じがあると思うんですね。でもそういうことをやっぱりやってくことでイノベーションが早く出てきたりってのはあると思います。」出典：NewsPicks インタビュー動画より

この考え方の実践例：

• MVP（Minimum Viable Product）の活用：最小限の機能で早期リリース
• A4一枚での議論：長大な資料より要点を絞った討議
• ホワイトボードでの共同作業：リアルタイムでのアイデア創出
• 継続的改善：完璧を目指すより反復改善を重視

岩谷氏はまた、日本企業の課題として以下を指摘しています：

「今車内の中でも、やっぱり結構たくさんのパワポを作られる方が未だに多いですよね。A4一枚の紙にブレッドポイントで書くと言われると作業量的には全然少ないはずなんですけど、結構やっぱ考えさせられるんですよね。でかつそれでミーティングした方が論点もクリアですし。」

この仕事術は、変化の激しいビジネス環境において、競合他社よりも早く市場に価値を提供するための重要な要素となっています。

他社コンサルファームとの違い：マッキンゼー独自の特徴

コンサルティング業界には数多くの優秀なファームが存在しますが、マッキンゼーが他社と明確に差別化される特徴を詳しく見てみましょう。

BCG・ベインとの「三社三様」の違い

コンサル業界の御三家「MBB」（McKinsey、BCG、Bain）は、それぞれ独自の特徴を持っています。転職支援の専門家・久留須親氏は、この違いについて重要な指摘をしています。

業界専門家の証言

「Top-tier（トップティア）と呼ばれるマッキンゼー・アンド・カンパニー、ボストン コンサルティング グループ、ベイン・アンド・カンパニーは紛れもないグローバルエクセレントカンパニーですから、この3社が持つカルチャーは極めて強固で『三社三様』です。この3社全てからオファーを得た人は、私の17年の経験の中でも数人しか見たことがありません。」出典：久留須親著『「コンサルティングファームに入社したい」と思ったら読む本』

各社の特徴的な違い：

• マッキンゼー：「仕組み」重視、グローバル連携力、人材育成システム
• BCG：「コンセプト」重視、戦略フレームワーク開発力
• ベイン：「実行支援」重視、結果へのコミット

この違いは、各社が求める人材タイプにも現れます。マッキンゼーは「システマティックに考える人」、BCGは「コンセプチュアルに考える人」、ベインは「実行力のある人」を好む傾向があります。

重要なのは、どの会社も世界最高水準であり、「偏差値的な序列」ではなく「カルチャーフィット」で選ばれるということです。実際、マッキンゼーに落ちてBCGに受かる人、その逆の人も多数存在します。

「マッキンゼー流」思考法の特徴

マッキンゼーが他社と最も差別化される点の一つが、独自の思考法「マッキンゼー流」です。これは長年にわたって蓄積・体系化された問題解決手法の集大成です。

主要な思考法：

• イシュー分析：問題の本質を見極める手法
• ピラミッドストラクチャー：論理構造を明確にする手法
• MECE（Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive）：漏れなくダブりなく分析
• ゼロベース思考：既存の前提を疑う思考法
• So What?：「それで何？」を問い続ける姿勢

特に「イシュー分析」については、マッキンゼー出身で現在MIT学生でもある方が以下のように説明しています：

「最初に考えることは『イシュー』の発見であると。『なにが課題なのか？』を探すことであると。そして課題がえらく大変だったり、難関だとしても、絶対にへこたれない。というのは、『お前たちの仕事は、課題を解決することなんだ』と刷り込まれているわけです。」出典：ダイヤモンド・オンライン インタビューより

これらの思考法は、書籍化されることで一般にも知られるようになりましたが、マッキンゼーでは実際の業務を通じて体得することで、真の実践力として身につきます。

他社との違いは、これらの思考法が「日常業務の標準装備」として全社員に浸透していることです。どのプロジェクトでも、どの会議でも、常にこれらの思考法が実践されているため、自然と高度な問題解決能力が身につくのです。

FAQ｜「マッキンゼーの強みと弱み」を知りたい方へ

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McKinsey & Companyを始め多くの戦略ファームはBizreach内で採用を定期的に募集しており、同社が重視する「本質的で持続的なインパクト創出」や「Author your own Journey」での働き方について直接応募して募集部署や採用求人の特徴を直接知ることができます。

最近は、McKinsey & Companyをはじめとする様々なコンサルティングファームや戦略ファームが求人を掲載しているので、自分で直接応募することが出来ます。（最近、世界最高峰の戦略コンサル求人の掲載を見つけて驚きましたｗ）

企業は転職エージェントに支払う手数料よりも採用コストが低いビズリーチの活用に積極的になっており、McKinsey & Companyなどの戦略ファーム・総合ファームだけでなく金融・IT各社も求人掲載しています。

• McKinsey & Company・戦略ファーム・コンサルファームから直接話を聞いてみたい
• McKinsey & Company・戦略ファーム・コンサル業界への転職支援に強いヘッドハンターに出会いたい
• 採用に積極的なMcKinsey & Company等の企業から直接話を聞いてみたい

こういう方はビズリーチの登録もオススメです。McKinsey & Companyからの1次情報より確実な情報はないので、その機会を得る為にもビズリーチに登録しておいてください。

＊実際の応募は面接対策が出来る業界特化の転職エージェントも“併用”した方が良いと思います

私達は転職活動の時に複数の転職エージェントに登録して各社を「比較・評価」します。比較することで、より良い転職エージェント・求人を探せるのでメイン1社・サブ2社の合計3社は登録しておきましょう。

多くの人が1社だけ衝動的に登録して転職活動をしていますが、「同じ会社でも転職エージェントによって年収やポジションが違った」なんてこともよくあり、本当は年収100万上げて転職できたのに・・・なんてことにもなりかねません。

よって、転職エージェントは3社以上に登録して、紹介求人が魅力的で対応が丁寧なエージェントと関係を作っていくことをやってみてくださいね。

まとめ：マッキンゼーのすごさの本質

本記事では、マッキンゼー・アンド・カンパニーが「世界最高峰のコンサルティングファーム」と呼ばれる理由を、多角的に分析してきました。

マッキンゼーのすごさの本質は、以下の5つに集約されます：

1. 規模とネットワーク：世界130拠点・30,000人の規模とグローバル連携力
2. 体系化された仕組み：100年近く蓄積された「マッキンゼー・ウェイ」と人材育成システム
3. 強固な価値観：「クライアント・ファースト」「ワンファーム」の徹底実践
4. 厳格な人材選別：カルチャーフィット重視の採用と「アップ・オア・アウト」による継続成長
5. 独自の思考法：イシュー分析をはじめとする体系化された問題解決手法

重要なのは、これらの要素が個別に存在するのではなく、相互に連携して強力なシナジー効果を生み出していることです。

転職・就職を検討している方へのアドバイス：

マッキンゼーの「すごさ」を理解することは重要ですが、より大切なのは「自分にとってのフィット感」です。転職のプロ・久留須親氏が指摘するように、「マッキンゼーにしか受からない人」が存在するのも事実です。

コンサルティング業界への転職を成功させるポイント：

• カルチャーフィットを重視：偏差値的な考えではなく、自分に合うファームを見つける
• 実際に活動してみる：転職活動自体が業界研究になる
• 本質的思考を育てる：「なぜ？」を問い続ける姿勢を身につける
• 目的を明確にする：「入社すること」ではなく「活躍すること」を目標とする

マッキンゼーは確かに「すごい」企業ですが、それは同時に「厳しい」企業でもあります。その両面を理解した上で、自分にとって最適なキャリア選択をすることが重要です。

本記事が、マッキンゼーの真の姿を理解し、皆さんのキャリア選択の一助となれば幸いです。

参考情報源

• マッキンゼー・アンド・カンパニー公式サイト：https://www.mckinsey.com/jp
• 書籍：久留須親著『「コンサルティングファームに入社したい」と思ったら読む本』
• 動画：NewsPicks「日本企業はまだまだ世界で勝てる」岩谷直幸日本代表インタビュー
• 動画：NewsPicks「入社が難しい有名企業No.1 面接ハック術【マッキンゼー】」
• 記事：ダイヤモンド・オンライン「マッキンゼーの人は『何』がすごいのか？」
• 記事：東洋経済オンライン「マッキンゼーの何がすごいのか」
• 海外情報：Glassdoor（従業員評価サイト）、McKinsey & Company グローバル公式サイト