こんにちは。転職note編集部です。
私達は、自分達の転職や副業経験を通して知りたかったのに手に入らなかった情報や手に入れるのに苦労した情報を纏めて御紹介しています。
経済環境の変化に伴い、今後の不景気を心配している方も多いのではないでしょうか。
今回は、2000年以降に起こった不況期(1.ドットコムバブル崩壊、2.リーマンショック)を振返りたいと思います。
その時期に、コンサルティングファーム各社で何が起こったのか、歴史から今後のキャリア形成に向けて何ができるかを考えてみたいと思います。

コンサル業界の栄枯盛衰を不景気の歴史
コンサル業界とドットコムバブル崩壊(00年)
2000年春、インターネット関連企業への過剰な期待が一気に崩壊したドットコムバブル。この歴史的転換点は、コンサルティング業界に劇的な変化をもたらしました。
ITバブルの恩恵を受けて急成長していた業界は、一転して厳しい試練に直面します。大規模な採用凍結、リストラの嵐、そして業界再編。本章では、この激動の時代にコンサル業界で何が起きたのかを紐解きます。
1990年代後半、インターネットの急速な普及により、コンサルティング業界は未曾有の好況期を迎えていました。特にITコンサルティング領域では、企業のデジタル変革支援やシステム構築需要が爆発的に増加。各ファームは積極的な人材獲得競争を繰り広げ、新卒・中途採用ともに過去最高水準の採用数を記録していました。
- IT関連プロジェクトの急増により、コンサル業界全体が年率27%の成長を記録
- アクセンチュア(当時アンダーセンコンサルティング)が2000年に監査部門から完全独立
- 戦略系・総合系ファームともに採用枠を大幅に拡大し、人材確保に注力
しかし、この熱狂の裏では既に異変が始まっていました。インターネット関連企業の株価は実態を大きく上回る水準まで高騰し、多くのドットコム企業は収益性を度外視した事業展開を続けていました。2000年3月10日、ナスダック総合指数が史上最高値を記録したその瞬間が、バブルの頂点であり、同時に崩壊の始まりでもあったのです。
2000年春から2001年にかけて、ドットコムバブルの崩壊は瞬く間にコンサルティング業界を直撃しました。主要顧客であったIT関連ベンチャー企業が次々と倒産し、大手企業もIT投資を凍結。
コンサルプロジェクトの受注が激減する中、各ファームは生き残りをかけた厳しい決断を迫られることになります。
- IT関連ベンチャー企業が相次いで破綻し、コンサルプロジェクトが大量キャンセル
- 大手企業のIT投資が凍結され、業界全体の受注高が急減
- McKinsey & Companyが米英で採用を完全停止、A.T.カーニーやBoozも同様の措置
- 2002年にはBCGが12%の人員削減を実施、業界全体でリストラが連鎖
- e-ビジネスコンサルティング専門ファームの多くが事業縮小または撤退
この時期、コンサル業界では採用の完全凍結が業界標準となりました。かつては引く手あまただった優秀な人材も、転職市場から姿を消す状況に。特にITコンサル領域では、わずか1年前まで積極採用していた企業が一転して大規模なリストラを断行しました。
人材の流動性が高いことで知られる業界ですが、市況の急激な悪化により、多くのコンサルタントが社内に留まらざるを得ない状況となりました。
また、会計系ファームの再編も進み、2002年のエンロン事件を契機に、監査部門とコンサルティング部門の分離が加速。KPMGコンサルティングの独立、PwCコンサルティングの買収統合など、業界地図が大きく塗り替えられました。
2003年以降、コンサルティング業界は徐々に回復の兆しを見せ始めました。しかし、バブル期とは明確に異なる新たな市場環境への適応が求められました。
ITプロジェクト中心から、経営効率化や事業再編支援へとサービス内容がシフト。また、バブル期の反省から、より持続可能な成長モデルへの転換が進みました。
- 2005年頃から段階的に採用活動が再開され、慎重な人材獲得が進む
- プライベートエクイティやM&Aアドバイザリー業務が新たな成長分野として台頭
- 会計系ファームが監査部門から完全分離し、独立系総合コンサルとして再出発
バブル崩壊後の最も大きな変化は、ビジネスモデルの多様化でした。単なるIT導入支援から、事業戦略の立案、組織変革、そしてM&A支援まで、サービス領域が大きく広がりました。
また、採用戦略も大きく変化しました。バブル期のような大量採用は影を潜め、より厳選した少数精鋭の採用へとシフト。人材育成にも時間をかけ、長期的な視点でコンサルタントを育成する方針が定着しました。この経験は、その後のリーマンショック時にも活かされ、業界全体の耐性を高める結果となりました。
ドットコムバブルの崩壊は、コンサルティング業界に痛烈な教訓を残しました。急成長の後には必ず調整局面が訪れるという市場の鉄則、そして顧客企業の実態に基づいたサービス提供の重要性です。 この経験を通じて、業界は単なるテクノロジー導入支援者から、真の経営パートナーへと進化を遂げました。
バブル期の27%成長という異常な拡大から一転、持続可能な成長モデルへの転換が実現。採用面でも、大量採用・大量離職というサイクルから脱却し、人材を大切に育てる文化が醸成されました。
また、会計系ファームの監査部門からの分離は、結果的にコンサルティング業界の独立性と専門性を高める契機となりました。この困難な時期を乗り越えた経験が、その後のリーマンショックやコロナ禍においても、業界が比較的早期に回復できた基盤となっています。
コンサル業界の栄枯盛衰を不景気の歴史
バブル崩壊からコンサルティング業界復調
2005年の終わりごろから、コンサルティング業界の厳しい経済環境が好転の兆しを見せたと言われています。
1つは公共機関向けのコンサルティング需要が大きく伸長しました。
またベイン&カンパニーは、PEファンドに対して買収先を選択する際の査定業務のサポートや買収後の企業再生を担う人材の提供により復活を果たしています。
コンサル業界の栄枯盛衰を不景気の歴史
リーマンショック(08年)とコンサルティング業界
2008年9月15日 リーマンショク
アメリカの投資銀行 リーマン・ブラザーズ・ホールディングスが経営破綻したことに端を発して、連鎖的に世界規模の金融危機が発生した事象の総称です。
概要だけですが、07年にアメリカでは住宅バブル崩壊をきっかけに、サブプライム住宅ローン危機を始め、各種資産価格の暴落が起こっていました。
リーマン・ブラザーズも例外ではなく、多大な損失を抱えて倒産し、同社が発行している社債や投信を保有している企業への影響、取引先への波及と連鎖などへの不安が広がり、世界的な金融危機に陥りました。
リーマンショク後のコンサルティング市場縮小
あるレポートによれば、コンサルティング市場は前年比で9.1%縮小し、1982年以降で最大の下げ幅を記録します。
また、この時はコンサルティング業界の一大顧客である金融業界がマヒ状態に陥りました。
これだけでも痛手ですが、加えて銀行による貸し渋りが増え、資金を確保しづらくなったPEファンドの企業買収がスローダウンしました。
その結果、ドットコムバブル崩壊時に見出したPEファンドの支援等による収益やM&Aに伴うシステムや業務・制度の統合等の案件も減ってしまいます。
また、純粋な戦略系コンサルティング・ファームに金を払う企業が減り、当時世界の26都市にオフィスを展開するモニター・グループは凋落し、デロイトに買収されています。
各ファーム内の動き(採用停止・リストラ)
この時の各社の動きはコチラに纏めたので、よろしければご参照ください。
コンサル業界の栄枯盛衰を不景気の歴史
コンサルティング業界の復調(リーマン後)
この時期、活況を見せたのはコストカットの案件でした。
2009年には全体の87%がコストカットに付随する案件だったと言われています。
戦略に加えて業務やシステムに入り、経営をスリム化し、実益をもたらす規模の大きなファームは荒波を乗り切っています。
特に会計事務所系のファームは一度は撤退したコンサルティング市場に、2009年頃から「アドバイザリーサービス」として再参入し、規模を拡大させています。
世界的に、市況が戻ったのは2011年頃からと言われており、その頃には「成長戦略」に関するプロジェクトが増えました。
日本は2011年に東日本大震災を挟み、復調には他国よりも時間がかかりました。転職エージェントと話しても、日本は2013年頃という話です。
まとめ|コンサル業界の栄枯盛衰を不景気の歴史(リーマンショック・ドットコムバブル)から振返る
さて、いかがだったでしょうか。
過去の不況期を振返ると、復調に必要な期間とその時にメインとなったサービスが見えてきますね。
✓不景気は定期的に来る
(別に今回だけではない、どうせまた来る)
✓その時期には、賞与や昇進が減り、採用停止やリストラも考えないといけない
✓ただ、ドットコムバブルは約5年、リーマンショクは約2.5年(日本は約5年)で復調している
✓不況期は、PEファンドのM&A支援、コストカットや業務省力化による実益をもたらす仕事が求められる
(潰れた会社もあるが、全部の会社が潰れるわけではない)
今回は、ヒト・モノ・カネの流れが大きく変わるだけでなく、長期化する可能性もあり、必ずしも同じ流れを辿る、とは言えません。
ただ、過去を振り返れば、乗り越えてきた歴史があります。
この時期が永遠に続くわけではなく、世の中で主流となるものが変わると考えて、焦らずに自身のキャリア形成を考えてもらえればと思っています。
こういう時期は求人案件も短い期間で変わります。
これから流行る企業と苦境を迎える企業は、これから出てくるでしょうから、転職するかどうかはおいておいて、定期的に転職エージェントとの情報交換をオススメします。
皆さんのキャリアを考える際の一助になれば嬉しく思う。


