何がすごいの？EYSCのEYストラテジーアンドトランザクション事業部（旧EYTAS）の強み/弱み｜EYSaTの歴史的な立ち位置と将来性を徹底解説

こんにちは、転職note 編集部です。

今回は国際的なコンサルティングファームであるEYストラテジー・アンド・トランザクション（EYSaT）の中途採用について詳しくご紹介します。

EYSaT自体は2020年10月の設立から4年が経過し、現在ではM&Aアドバイザリーと戦略コンサルティングを融合させた独自のアプローチで多くの企業の成長戦略を支援する専門ファームとして成長しています。

一方で、近年、M&Aアドバイザリーファームの数が増加し、改めてEYSaTの中途採用の特徴は何か？転職対策のポイントは何か？どのような人材を求めているのか？がわからないという方も多いと思います。

そこで今回は次のような疑問に答えていきたいと思います。

本記事では、EYSaTの中途採用の実態と転職成功のための対策方法をご紹介していきます。

今回は、実際にEYSaTで働いたことのあるコンサルタントの方へのインタビューや公式データ、転職サイトの情報を交えて、私達転職note編集部の実体験をもとにご紹介していきます。

事業会社からEYSaTのコンサルタントキャリアを目指す方の参考になる内容だと思うので、是非、最後まで読んでみてくださいね。

EYSaTの2025年以降の中途採用では、書類選考（通過率35-45%）→WEBテスト（TG-WEB形式・通過率70-80%）→面接2-3回→ケース面接という選考フローが実施されています。面接回数は平均3回で、ケース面接は必須となっており、フェルミ推定を中心とした論理的思考力の評価が重視されます。対策においては、M&Aプロセスの理解とEYSaTの「Building a better working world」というパーパスへの共感を具体的に示すことが重要です。

EYSaTの会社概要と歴史

EYストラテジー・アンド・コンサルティング（EYSC）は2020年10月1日設立で従業員数4,075名（2025年3月1日時点）を抱えるグローバルな戦略・トランザクションコンサルティングファームです。

EYグローバルネットワークの中核として、戦略立案からM&Aアドバイザリー、ビジネストランスフォーメーション、デジタル化支援まですべての領域を手掛ける総合系コンサルティングファームです。

「Building a better working world」をミッションとして掲げ、より良い社会の構築に向けてクライアントと共に価値創造に取り組んでいます。

クライアントの変革を実現する真のパートナーとして、戦略立案から実行まで一気通貫での支援を提供し、特にデジタルトランスフォーメーション（DX）とM&Aの両領域で高い専門性を誇っています。

EYSaTの会社概要

商号	EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社
英文商号	EY Strategy and Consulting Co., Ltd.
設立年月日	2020年（令和2年）10月1日
従業員数	4,075名（2025年3月1日現在）
資本金	4億5千万円
代表者	代表取締役社長　近藤 聡
連結売上高	2024年度 494億円（EY Japan全体） 前年比14.2%増 2025年度は550億円を目標
営業内容	戦略コンサルティング ストラテジー・アンド・トランザクション （M&A・企業戦略・企業価値評価） ビジネス・トランスフォーメーション （業務改革・組織変革・デジタル化支援） テクノロジー・コンサルティング

出典：EY公式HP　https://www.ey.com/ja_jp/about-us/ey-strategy-and-consulting

2025年目標従業員5,000名
急速に成長するコンサルティング組織

EYSCは2025年末までに従業員数5,000名体制を目指しており、Big4の中でも最も高い成長率を実現しています。

東京ミッドタウン日比谷の好立地オフィスで、最新のテクノロジーを活用した働き方改革と急速な事業拡大を実現しています。

EYSaTの歴史

EYSCの前身は2010年に設立されたEYアドバイザリー株式会社であり、2017年にEYアドバイザリー・アンド・コンサルティング株式会社へ名称変更しました。

2020年10月にEYストラテジー・アンド・コンサルティングとして発足し、戦略コンサルティング機能とM&Aアドバイザリー機能を統合した現在の組織体制が確立されました。

EYグローバルネットワークの一員として、Big4の中でも特にデジタル化とトランザクション支援に特化した成長戦略を推進しています。

2024年度にはEY Japan全体で494億円の売上高を達成し、前年比14.2%の成長を実現しました。

EYSaTの成長戦略と事業展開

EYSCは「Building a better working world」のミッションのもと、2025年度に向けて売上高550億円、従業員数5,000名体制の実現を目標としています。特にDX領域では30%の成長率を見込み、M&Aアドバイザリーでは年間150件以上の案件対応を目指しています。戦略コンサルティング、ストラテジー・アンド・トランザクション、ビジネス・トランスフォーメーション、テクノロジー・コンサルティングの4つの主要サービスラインで、クライアントの変革を包括的に支援しています。

最新のEYSaTのAI・デジタル化への取り組み

EYSCは生成AIとデータアナリティクスを活用した次世代のコンサルティングサービスを提供しており、社内では「Smart Work Initiatives」として業務の自動化・効率化を推進しています。クライアント支援では、AI活用によるビジネスプロセス改革、データドリブンな意思決定支援、デジタルプラットフォーム構築を中心に展開しています。

また、ESG・サステナビリティ領域においても、気候変動対応やサーキュラーエコノミー実現に向けたコンサルティングサービスを拡充し、企業の持続可能な成長を包括的に支援しています。

2024年度は特にAI・データアナリティクス分野で20%以上の成長を達成し、デジタルトランスフォーメーションにおけるリーディングファームとしての地位を確立しています。

EYSaTの強みと弱みは何？
EYSCのEYストラテジーアンドトランザクション（旧EYTAS）の強み

EYストラテジー・アンド・トランザクション（EYSaT）の強みとして、2020年設立以来培ってきたM&Aアドバイザリー業界での確かな実績・戦略策定からトランザクション実行まで一気通貫で支援できる高い専門性、そしてグローバルネットワークを活用した大規模案件を扱う確かな実力があることをお伝えしたいと思います。

戦略コンサルティングとM&Aアドバイザリーを融合したサービス提供ができるのは、1つの専門ファームではなかなか取り組めない取組みだと思います。

こうしたEYSaTの歴史や特徴をふまえて、どんな会社かを実際に働いている社員の方へのインタビューをもとに御紹介したいと思います。

EYSCのEYストラテジーアンドトランザクション（旧EYTAS）のすごい強み①
戦略とトランザクションの一気通貫支援

EYSaTの最大の特徴は、EY-Parthenonとの緊密な連携により、企業の経営戦略レベルからM&A戦略を設計できる点です。2025年7月にはEY-Parthenonが戦略コンサルティングとトランザクションを統合し、クライアントに対してエンド・ツー・エンドの支援を提供する体制をさらに強化しました。

従来のM&Aアドバイザリーファームが財務デューデリジェンスや案件執行に特化しているのに対し、EYSaTは企業の成長戦略・新規事業戦略の策定から、M&A実行、そしてPMI（買収後統合）まで一貫したサービスを提供できます。

この「ストラテジーからエグゼキューション」という統合アプローチにより、クライアント企業は戦略立案段階から実行可能性を考慮した提案を受けることができ、実行段階では戦略意図を理解したチームが支援するため、プロジェクトの成功確率が大幅に向上します。

このように戦略とトランザクションを融合したサービス提供は、他のM&Aアドバイザリーファームには無いEYSaTの大きな強みの1つと言えるでしょう。

EYSCのEYストラテジーアンドトランザクション（旧EYTAS）のすごい強み②
150カ国以上のグローバルネットワーク

EYは世界150以上の国と地域、約40万人のメンバーを擁するグローバルネットワークを持っており、EYSaTはこのネットワークを最大限に活用できる立場にあります。特に近年、日本企業の海外M&Aが活発化する中で、このグローバルネットワークは大きな競争優位性となっています。

クロスボーダーM&Aでは、対象国の規制環境、市場特性、文化的背景の理解が不可欠ですが、EYSaTは各国に専門チームを有しており、現地の知見を即座に活用できます。また、EY新日本監査法人やEY税理士法人といったEY Japanグループ内の他メンバーファームとの連携により、財務・税務・法務の専門知識を統合的に活用できる点も強みです。

このようなグローバルネットワークの活用力は、国内案件だけでなく海外進出やクロスボーダーM&Aを検討する企業にとって、EYSaTを選ぶ大きな理由となっています。

EYSCのEYストラテジーアンドトランザクション（旧EYTAS）のすごい強み③
コネクテッド・キャピタル・ソリューション

EYSaTは「コネクテッド・キャピタル・ソリューション」という独自の哲学を掲げており、これは企業の資本戦略全体を「維持・保全」「最適化」「投資」「調達」というサイクル全体で支援するアプローチを指しています。

具体的には、M&Aアドバイザリー、デューデリジェンス、バリュエーション、事業再生・リストラクチャリング、サステナビリティ・ESGトランザクションの5つの主要サービス領域が有機的に連携することで、クライアントの経営課題に対して包括的なソリューションを提供しています。

特に2025年においては、サステナビリティ関連サービスが40%超という驚異的な成長を遂げており、ESGをトランザクション戦略の中核に据えていることが特徴です。また、AIプラットフォーム「EY.ai」の開発に14億米ドルという大規模な投資を行っており、M&Aプロセスへのテクノロジー導入にも積極的に取り組んでいます。

EYSCのEYストラテジーアンドトランザクション（旧EYTAS）のすごい強み④
幅広い業界カバレッジと専門性

EYSaTは金融、医薬医療、TMT（テクノロジー・メディア・通信）、公共・社会インフラ、エネルギー、消費財・小売流通、自動車など、幅広い業界に対して専門チームを擁しています。

各業界の専門チームは、長年の経験と実績に基づく深い業界知識を持っており、業界特有の規制や商習慣、競争環境を熟知しています。この業界専門性により、M&A案件において重要な戦略的示唆や、見落としがちなリスクの早期発見が可能となっています。

特に近年注目されているDX（デジタルトランスフォーメーション）領域では、テクノロジー戦略の策定から導入支援、エマージングテックの活用まで包括的に支援できる体制を整えており、デジタル時代のM&A戦略において強みを発揮しています。

EYSCのEYストラテジーアンドトランザクション（旧EYTAS）のすごい強み⑤
AI・テクノロジーへの積極投資

2025年においてEYSaTは、AIプラットフォーム「EY.ai」の開発に14億米ドルという大規模な投資を行っており、M&Aプロセスへのテクノロジー導入を積極的に進めています。

AIを活用したデューデリジェンスの効率化や、データドリブンなバリュエーションモデルの開発など、テクノロジーを活用した業務プロセスの革新が進んでいます。特に大量のデータ分析が必要な案件や、複雑な財務モデリングが求められる案件において、AI技術の活用により精度の高い分析を短時間で提供できるようになっています。

このようなテクノロジーへの投資姿勢は、従来のM&Aアドバイザリーの枠を超え、次世代のトランザクションサービスを創造する原動力となっています。今後もAI・DXの進展により、EYSaTのサービス品質とスピードはさらに向上していくことが期待されます。

EYSaTの強みと弱みは何？
EYSCのEYストラテジーアンドトランザクション（旧EYTAS）の弱み

昨今のM&A・戦略コンサルティング業界は、様々なプレイヤーがいます。

PwCディールアドバイザリーやデロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリーは昔から競合することも多かったと思いますが、最近ではGCAやフロンティア・マネジメント、さらにはKPMG FASなども競合することが多いでしょう。

総合コンサルティングファームは、どのファームも全業界・全サービスに対してフルラインでサービス提供をしており、種類での差別化が非常に難しいのはどのファームも同じです。

その為、各企業・コンサルティングファームが似たような年齢・経験の人材を採用しようとしていますが、戦略系ファームや外資系投資銀行は積極的に年収水準を上げてオファーを出せます。

しかし、EYSaTの場合は、Big4の中でも相対的に給与水準が控えめで、デロイトやPwCと比較して年収で50-100万円程度劣後するケースも見られます。

急成長による組織拡大は大きな魅力である一方で、人材獲得競争において年収面での競争力が課題となっているのも事実です。それでは早速、EYSaTの弱みを見てみましょう。

EYSCのEYストラテジーアンドトランザクション（旧EYTAS）の弱み①
給与水準の競争力課題

EYSaTを含むEYSC全体の最大の課題の一つは、Big4内での給与水準の位置づけです。平均年収は約900-940万円程度と高水準ではあるものの、デロイトの平均年収1,422万円、PwCの1,316万円と比較すると劣後しています。

2025年時点のBig4比較では、同じ役職レベルでもEYSCは他のBig4と比べて50-150万円程度年収が低い傾向にあり、特にマネージャー以上の役職では差が顕著になります。これはM&A案件の獲得や優秀な人材のリテンション（定着）において競合に対して不利な状況を生み出しています。

EYSCのEYストラテジーアンドトランザクション（旧EYTAS）の弱み②
急成長に伴う組織課題

2020年の組織統合以降、急速な拡大を続けるEYSCの特徴として、組織成熟度の課題が挙げられます。従業員数4,075名（2025年3月時点）から5,000名体制を目指す急成長ゆえに、若手の育成体制やプロジェクトアサインの最適化が追いついていない場合があります。

特に旧EYTAS（M&Aアドバイザリー）と旧EYACC（コンサルティング）の統合後、文化の融合や人材配置の最適化に時間を要しており、一部では半年以上プロジェクトにアサインされない「アベイラブル」状態の社員も存在するという声が聞かれます。

一方で、M&Aやコンサルティング事業は、基本的に人月×単価＝売上のビジネスモデルの為、人月（1人あたりの月間稼働時間）を増やさないと企業としての成長も見込めません。特に優秀な人材を多く採用できることが重要な業態なので、競合に比べて年収水準が劣後して採用できない、採用しても他の企業に取られてしまう、という特徴はEYSaTの弱みの1つと言えるでしょう。

人を増やさないといけない、しかし急速な拡大により組織内のナレッジ共有や人材育成の仕組みが十分に機能しきれていない部分があるというのがジレンマになっています。

EYSaTのプロジェクト事例

2019年から現在まで継続して支援を行っている「海洋再生可能エネルギー発電設備整備促進区域公募（洋上風力発電事業）」のプロジェクトをご紹介します。これは日本の「2050年カーボンニュートラル」実現に向けた重要な国家プロジェクトです。

2024-2025年の最新取り組み
脱炭素社会実現への貢献

EYSaTは従来のM&Aアドバイザリーに留まらず、サステナビリティとトランザクションを融合させた最先端のサービスを積極的に展開しています。

EY.aiプラットフォームの本格展開

2025年、AIプラットフォーム「EY.ai」の開発に14億米ドルという大規模投資を実行し、M&Aデューデリジェンスの効率化、データドリブンなバリュエーションモデルの開発など、テクノロジーを活用した業務プロセスの革新を推進。従来数週間かかっていた市場分析が数日で完了できるようになりました。

サステナビリティ・ESGトランザクション

2024年から2025年にかけて、サステナビリティ関連サービスが40%超という驚異的な成長を達成。ESGをトランザクション戦略の中核に据え、洋上風力発電事業をはじめとする再生可能エネルギープロジェクトへのアドバイザリー業務を拡大しています。

Asia East戦略の推進

近藤聡EY Japan CEOが発表した「Asia East」戦略により、日本中心の視点から脱却し、アジア全体の成長に責任を負う存在への変革を推進。クロスボーダーM&Aにおいて、150カ国以上のグローバルネットワークを最大限に活用した支援体制を強化しています。

これらの取り組みにより、EYSaTは「M&Aアドバイザリーの会社」から「サステナブル成長を実現する戦略的トランザクションパートナー」としての地位を確立しつつあります。

洋上風力発電事業入札支援プロジェクト

＊2050年カーボンニュートラル実現に向けた国家プロジェクト

「2050年カーボンニュートラル」宣言の実現に向け、経済産業省および国土交通省が実施する「海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律（再エネ海域利用法）」に基づく洋上風力発電事業者の公募において、EYSaTは2019年から専属チームを立ち上げ、過去3回実施された公募全てにおいて、政府側または事業者側でアドバイザリー業務を提供しました。

プロジェクトチームはEY-Parthenonの戦略コンサルタント、EYストラテジー・アンド・コンサルティングのG&I（ガバメント＆インフラストラクチャー）チーム、Energyチーム、さらにEY税理士法人、EY新日本有限責任監査法人など、EY Japan全体で構成された多国籍かつ多様な専門性を持つメンバーが参画しています。

国内外の企業がコンソーシアムを組成し、発電事業を行う海域の占有権を求めて入札図書を作成します。検討すべき分野は技術的なものから、市場分析、電力価格の将来見通し、事業性の検証、資金調達手法、リスク分析、地域活性化策等々、非常に多岐にわたり、長期間のコンソーシアムの議論を導くためのナビゲーターが必要とされました。

日本有数の鉄鋼商社の欧州M&A支援

日本有数の鉄鋼商社が欧州で地場有数の同業会社を買収するという大型クロスボーダー案件において、EYSaTは日欧にてFA（ファイナンシャルアドバイザー）、財務・税務・HR・ITデューデリジェンス、およびPMI（買収後統合）サポートまで一気通貫で提供しました。

地元の名士が子供のように育てた会社の買収であったことから、オーナーやご家族の思いに寄り添いつつクライアントのベネフィットを守るという難しい案件でした。DDの中で会計処理の違い、在庫計上の方法の違いによる数字の調整、一部ご家族のリテンション、独自開発システムの引き継ぎ・乗せ換えと複雑な案件で1年超の期間を要しましたが、無事クローズさせることができました。

このプロジェクトは、EY内の「One Profit」（組織の垣根を越えた協働）を体現したものであり、グローバルネットワークとローカルの専門知識を融合させたEYSaTならではの価値提供の事例となりました。

こうした大規模クロスボーダーM&Aを通してEYSaTはクライアントとの信頼関係を構築するとともに、業界特有の商習慣や業務プロセスに深い知見を持つことができ、後続のプロジェクトを受注することも可能になります。

まさにグローバルネットワークを活用した戦略的M&A支援というEYSaTならではの事例だと思います。

EYSCのEYストラテジーアンドトランザクション（旧EYTAS）のここがすごい！
EYSaTの特徴（グローバル・クロスボーダーM&Aに強い）

さて、これまではEYSaTの強みと弱み、そしてプロジェクト事例をご紹介してきました。

M&Aアドバイザリー、特にクロスボーダー案件で確固たる強みを発揮しており、更に戦略コンサルティングのEY-Parthenonとの連携により、戦略策定から実行まで一気通貫での支援サービスに力を入れていることはお分かりいただけましたか？もちろんM&A案件以外にも事業再生やバリュエーション案件も多数ありますので、そこはお忘れなく。

更にEYSaTはプロジェクト事例で御紹介したように、グローバルで働く機会が多いことも特徴の1つになっています。

M&A案件を発注するのは基本的に大企業ですが、大企業は当然、世界中に支社や工場があり、各国の規制環境や商習慣をもとにM&A戦略を策定していく必要があります。

その為、EYSaTの特徴としてクロスボーダーM&Aを中心にグローバルで働く機会が多いことをご紹介しますね。

ここがすごい！EYSaTの特徴
クロスボーダーM&A案件が豊富

EYSaTは、EYグローバルネットワークを活用した日本発のM&Aアドバイザリーファームとして、日本企業の海外進出や事業拡大を支援する、クロスボーダーM&A案件が非常に多い点が特徴の1つです。

世界150カ国以上に展開するEYのグローバルネットワークを活用し、ASEAN地域を中心とした新興国市場や北米・欧州の先進国市場において、大規模なクロスボーダーM&A案件を豊富に手掛けており、海外で働く機会が多いファームとして評価されています。

コロナ禍で直接現地に飛ぶことが難しい時期もありましたが、Afterコロナの世界では、オンライン会議も活用しながら、アメリカ・欧州・アジア各国と様々な国のM&Aプロジェクトで活躍されています。

例えば大手銀行のASEAN事業拡大に係るM&A支援案件では、シンガポール、タイ、ベトナムなど複数国にまたがる現地調査や交渉支援を実施し、半年以上に渡り現地に常駐したり、各国のEYオフィスと連携して働かれていたそうです。

M&Aアドバイザリーとしてキャリアを伸ばしていきたい方、特にグローバルで働く経験を積みたい方には魅力的なファームですよね。

特にクロスボーダーM&Aやグローバルでの就労経験は、これからも需要が高い経験になってくるでしょうし、EYSaTでの数年間が皆さんのキャリアにプラスの影響をもたらす可能性は高いでしょう。

ここがすごい！EYSaTの特徴
戦略からトランザクションまで一気通貫のM&A支援

EYSaTが「すごい」と言われる理由の一つは、M&A戦略の策定から実行、そして実行後の統合（PMI）まで、一気通貫でのサービス提供が可能な体制にあります。

EYSaTの強みは、EY-Parthenonという戦略コンサルティング部門との連携により、M&A戦略の策定段階から関与できることにあります。これにより、クライアント企業の中長期的な経営戦略に基づいた最適なM&A戦略の立案が可能となります。

従来のファイナンシャルアドバイザリーサービスでは、既に決定されたM&A案件の実行支援が中心でしたが、EYSaTでは戦略策定の段階から関与することで、より高い付加価値を提供しています。

この「戦略コンサルティングとM&Aアドバイザリーの融合」により、年間150件以上のM&A案件を手掛けており、その多くがクロスボーダー案件となっています。特に2025年度は「All in」戦略のもと、AI・生成AI分野でのM&A案件を積極的に支援しています。

サービス領域	主な内容	特徴
M&A戦略策定	EY-Parthenonとの連携による戦略立案	経営戦略レベルからの関与
M&Aアドバイザリー	ターゲット選定・交渉支援・FA業務	クロスボーダー案件が豊富
デューデリジェンス	財務DD・事業DD・専門DD	グローバルチームとの連携
バリュエーション	企業価値算定・価格交渉支援	AI活用による高度な分析
PMI支援	買収後の統合・シナジー実現支援	実行まで一気通貫でサポート

また、こうした一気通貫のサービス提供能力により、複雑な案件（例えば、複数国にまたがるカーブアウト案件や、規制対応が必要な大型M&A等）でも豊富な実績から成功への道筋を示すことが出来るのがEYSaTが「すごい」と言われる理由となっています。

M&A案件は、1度アサインされると数ヶ月から1年以上の長期プロジェクトとなることが多く、クライアント企業との深い信頼関係を構築できることから、安定したキャリア形成の基盤となります。

EYSaTの仕事は「M&Aアドバイザリー」「デューデリジェンス」「バリュエーション」「事業再生」の4つに大別できますが、全体の5~6割はM&Aアドバイザリー案件であり、デューデリジェンス案件が3~4割、その他が1割程度です。

こうしたクロスボーダーM&A領域での豊富な実績、それを支えるグローバルネットワークの活用、その結果として年間150件以上の案件対応実績が、総じてEYSaTが「すごい！」と言われる理由となっています。

ここがすごい！EYSaTの特徴
急成長するM&Aアドバイザリーファーム

EYSaTは2025年度に向けて従業員数5,000名体制を目指して急速に成長しており、特にM&Aアドバイザリー領域では「働きがい」と「成長機会」の両立を実現しています。

2020年の組織統合以降、旧EYTAS（M&Aアドバイザリー）と旧EYACC（コンサルティング）の融合により、M&A案件の戦略策定から実行までを一貫して担える体制が整いました。

多くのM&AファームやFAS（ファイナンシャルアドバイザリー）では2-3年で転職していくことを前提に働いている方が多いのも事実ですが、EYSaTでは「グローバルM&Aアドバイザーとしての長期的なキャリア」も描きやすいと言われています。

もちろん所謂”プロジェクトガチャ”や”上司ガチャ”により、難易度の高い案件や相性の合わない上司を引いてしまうことは他のファームと同様にあると聞いていますが、それでもグローバルネットワークを活用した案件の多様性や、専門性を高められる環境が整っています。

一方で転職note編集部の友人・知人ではEYSaT出身の方が様々なM&Aブティックや投資銀行、事業会社のコーポレート部門で活躍されているのをよく見かけます。

グローバルネットワークを活用しながらM&Aアドバイザリーの実力を身に着けるファームとしては、とても良い環境なのだと思います。（ただしM&Aやトランザクション案件に全く興味がない、という方は他のファームを検討しても良い気がします）

EYSaTへの中途入社！
活躍する為の準備

EYストラテジー・アンド・トランザクション（EYSaT）がどんな組織で、強みや弱みがどこにあるのか？をご紹介させていただきました。

そんなEYSaTに中途入社した後、活躍する為に意識するべきことを御紹介しますね！

EYSaTだけではありませんが、プロジェクト単位でチームを組成して働くM&Aアドバイザリーだからこそ、入社前の準備や心構えが入社後の活躍に向けて大切になります。

1つずつ詳しくご紹介しますので、皆さんの転職後の活躍を確実なものにしてくださいね！

EYSaTで中途入社後に活躍１
EYSaTの特色・働き方を理解して入社する

EYSaTで中途入社後に活躍するための準備で最初にできるのは、EYSaTの特色やEYSaTの働き方を理解して入社することです。

2025年現在、EYSaTでは「Building a better working world（より良い社会の構築を目指して）」というパーパスのもと、長期的価値創造を重視した働き方を推進しています。

マネージャー以上とアナリスト・アソシエイト層で、この影響は大きく変わるでしょう。

中途でマネージャー以上で転職した場合、EY-Parthenonの戦略コンサルタントや他部門のスペシャリストとの連携を図りながら、クライアントの経営層に対して戦略的な提案を行う必要があり、高度な調整能力とM&A実務の両方が求められます。

一方で、アナリスト・アソシエイト層の方は、財務分析やデューデリジェンスといった実務を通じて、段階的にM&Aプロフェッショナルとしてのスキルを習得できる環境が整っています。

まずはEYSaTで皆さんが入社されようとしている部署の特色や働き方を具体的なイメージを持って理解することで、入社後に働き始めてもイメージとのギャップを持たずに働くことができるでしょう。

EYSaTの働き方を詳しく知りたい方は、M&Aアドバイザリーやコンサルタントのキャリア支援を専門で行っているマイビジョン/MyVisionに相談してみてください。

マイビジョンはBig4FASへの転職支援に特に強みを持つエージェントであり、EYSaTの内情や働き方について深く理解しています。

EYSaTで中途入社後に活躍２
自分の経験に合わせた職位で転職する

EYSaTに中途で入社して活躍するための準備では、2つ目に自分の経験にあわせた職位で転職することです。

M&Aアドバイザリー業界で1度働いたことがある方はイメージが湧くと思いますが、M&Aアドバイザリー業界はプロジェクト単位でアサインされチームアップする等、事業会社とは働き方が大きく異なります。

特にマネージャー以上では、クライアントの経営層との対話、ディールプロセス全体の管理、複数の専門家チームのコーディネーションなど、高度なプロジェクトマネジメント能力が求められます。

働き方が大きく違うだけでなく、社内にも気兼ねなく話せる同僚は少なく（そもそもみんな自分のディールで忙しくしている）、若手メンバーはM&Aアドバイザーとして複数年経験しており「こうあるべき」という一定の仕事の基準を持っています。

いくら財務や事業分析の経験があっても、ディールプロセスの進め方やクライアントの期待値管理がわからないと苦労する方が多いのが、M&A未経験でのマネージャー転職です。

EYSaTをはじめM&Aアドバイザリーファームは職位に合わせて年収水準を定めている為、年収を上げたいという思いから、できるだけ上の役職で転職したいと考える方もいらっしゃいますが危険です。

特に、M&Aアドバイザリー業界が未経験でマネージャー以上で転職する場合は、既にM&Aアドバイザーとしての経験を積んだ自分の部下達からマネージャーとしての適切なディール進行、クライアント対応を求められます。

これは結構な重いプレッシャーになります。

職位に関係なく、M&Aアドバイザリー業界の就業経験がない方は、自身の経験に合わせた職位での転職に無理せず転職するようにしましょう。

M&Aアドバイザリーファームは、一般的な事業会社より実力次第で昇進することができます。目先の年収よりも着実な成果でクライアントに貢献し、評価を受けて昇進して、高い報酬をもらえるように努めると社内外からも1人前と認められ、気持ちよく働けると思います。

くれぐれも無理をしすぎないようにしてくださいね！

EYSaTで中途入社後に活躍３
M&Aアドバイザーとしてのスキルアップを怠らない

EYSaTに中途で入社して活躍するための3つ目の準備は、M&Aアドバイザーとしてスキルアップする努力をし続けることです。

多くの方が財務モデリングやバリュエーション、デューデリジェンス等の本を読み、資格を取得して転職されてきますが、実際のディールの現場で、刻々と変わる状況の中で、クライアントの経営層やステークホルダーの複雑な利害関係を調整し、適切なストラクチャーを提案できるかというと難しいでしょう。

EYSaTでは戦略策定からトランザクション実行まで一気通貫で関わるため、財務分析だけでなく、戦略的思考、交渉力、プロジェクトマネジメント能力など、幅広いスキルが必要です。

これは転職してからも継続して、各ディールで求められる役割を100％以上にこなす中でしか鍛えられません。もちろんきちんと努力をすれば身に着けられるスキルがほとんどですが、クライアントの本質的な課題を常に考え続け、上司や同僚とのパフォーマンスの違いを理解し、埋める努力を続ける必要があります。

逆に言えば、そうした環境で切磋琢磨するからこそ、高いレベルのM&Aスキルと戦略思考を短期間で身に着けることができ、評価を得て高い報酬をもらうことができる業界でもあります。

入社後は、周囲からのフィードバックを適切に理解し、改善・実行するという主体的なアクションが大切です。ぜひ継続的に自分なりの課題に取り組むようにしてくださいね！

EYSaTで中途入社後に活躍４
周囲の優秀なメンバーと良好な関係構築を図る

M&Aアドバイザリーファームはドライな人間関係と思われがちですが、実は過去のディール事例やバリュエーション手法、業界知識などのノウハウを同僚同士でシェアしていたり、相談していたりします。

中途で入社した方々は、同時期入社の方とのつながりはありますが、社内で何年もM&A案件を経験してきた方々との関係は、あまり作れていない方が多いでしょう。

一時的に、EYグループ全体の豊富なナレッジやグローバルネットワークをうまく活用できていないので、独立系のM&Aアドバイザーと同じような状況なわけです。

そんな状況を早く脱し、EYSaTの豊富なディール事例やEY-Parthenonの戦略知見、グローバルネットワークを活用して、効率的にクライアントの課題解決ができるようになるために、社内の「経験豊富な方々」と関係性を作ることが非常に大切です。

EYSaTでは、EY-Parthenonや他部門との連携プロジェクトが多く、社内ネットワーキングの機会も豊富に用意されています。そうした機会を活用して、社内の人材と良好な人間関係を作ることが、結果的に皆さんのディール品質とスピードを上げることにつながります。

ぜひ意識的に社内の様々な方と会話をして、良好な人間関係を作ってくださいね！

FAQ｜「EYSaTの選考対策」を知りたい方へ

EYSaTの中途採用対策
相談すべき転職エージェント

2025年現在、多くの企業が直面している課題は「AI・生成AIを活用したM&A戦略」「ESG・サステナビリティトランザクション」「クロスボーダーM&Aの複雑化」など、より高度で専門的な経営課題となっています。

これらの課題に対して、EYストラテジー・アンド・トランザクション（EYSaT）では次のような支援を強化しています。

これらの最新ニーズに対応するため、EYSaTでは従来のM&A実務専門性に加えて、戦略思考・ESG知見・AI/デジタル技術・グローバル案件経験を持つ専門人材を積極的に採用しています。

もしM&Aアドバイザーのキャリアやコンサルタントとしての次のキャリアを考えているのであれば、ここまで御紹介してきた通り「自分がキャリアで何を実現したいのか」「今の転職で何を実現すべきなのか」は、目先の転職だけでなく、転職後も頑張り続ける為に非常に大切です！

そこで将来、M&Aアドバイザーやコンサルタントとしてのキャリアを考えている方に向けて、M&Aアドバイザリー・FAS・戦略コンサルのキャリアに詳しく、キャリア支援（棚卸→ゴール設定→実現に向けたアクションプラン策定等）で評判の高い転職エージェント・転職サービスをご紹介しますね。

まとめ：EYSaTの選考対策！中途採用の転職成功の秘訣

EYストラテジー・アンド・トランザクション（EYSaT）への転職は、M&Aアドバイザリーと戦略コンサルティングの融合という独自のポジションとEYグローバルネットワークの総合力を理解することが極めて重要になります。

特に2025年以降は、AI・生成AI分野でのM&A案件の急増・「All in」戦略によるグローバル展開の加速・クロスボーダーM&A案件の大幅増加といった事業環境の変化や、従業員5,000名体制に向けた大規模採用について深く理解することが、転職成功の分かれ目となります。

最も重要なのは、M&A・FAS業界に精通したムービン・ストラテジック・キャリアやアクシスコンサルティング等の専門エージェントとの連携です。これらのエージェントは、面接官別の選考傾向や過去通過者のノウハウを詳細に蓄積しており、EYSaTの「Building a better working world」というミッションを踏まえた志望動機の構築から、ケース面接での具体的な回答方法まで、実践的な対策を提供してくれます。

転職を検討される際は、面接準備と並行して、EYSaTでのキャリアパスやグローバル案件への関与機会についても事前に詳しく調査することをおすすめします。

記事内でもお伝えしましたが、志望度の高い企業への応募前には、必ず複数社で面接経験を積んでください。場慣れにより緊張が和らぐだけでなく、面接官の反応を通じて自分の回答をブラッシュアップできる貴重な機会となります。

成功への道筋は明確です：①転職エージェントから選考情報とケース対策ノウハウを収集、②TG-WEBテストの徹底準備、③ケース面接の反復練習による実践力向上、この3ステップで選考通過率は飛躍的に向上します。

皆さんの転職活動が実り多いものとなることを心より願っています。